自作競馬予想ソフトのパフォーマンスを実例に、回収率を上昇させてみる。

自作競馬予想ソフトを自信満々で1年間運用した結果、酷いマイナスを食らったのが約2年ほど前のこと。

あの頃の苦行と見通しの甘さへの反省も忘れ始めた今日この頃、最近ふと競馬予想ソフトの開発熱が蘇ってきました。

現在はずっと試してみたいと思っていた「結局馬の強さを一番的確にあらわしている予想ファクターは過去のレース着順ではないか?」をコンセプトにした競馬予想ロジックを開発、検証しています。

なお今回の記事のテーマから話がそれてしまうため、この予想方法の詳細についてはこの記事ではほとんど触れません。

ただその代わりといっては何ですが、この予想ロジックの実際の予想パフォーマンス結果を使用して、一番簡単に回収率を上昇させる方法をお話ししたいと思います。

ちなみにその方法はいたって簡単、というよりみんな普通に知ってるのではなかろうか、オッズによるフィルタです。

馬券の回収率はオッズによるフィルタだけで二桁%以上、上昇させることができる。

オッズによるフィルタとは「オッズが〇〇倍以上でなければ買わない」というルールのことです。

このルールは実践がものすごく簡単です。

ただこのフィルタを使うためには「オッズ何倍未満は買わないようにすればいいのか?」、「フィルタに使ったオッズに対してどのくらい回収率が上がるのかの関係」をある程度知っていなければいけません。

ではその答えの一例を見てみましょう。

先に挙げた予想ロジックを使用して、2016年4月から2017年4月までに行われた中央全レースに対して以下のような条件でシミュレーション予想を行ないます。

  • 各レースの出走馬には勝つ確率をあらわすスコアがつけられ、そのレースの出走馬の中でスコアが一番高い馬の単勝馬券を購入します。
  • もし仮にスコア一位が複数いた場合、そのすべての馬の単勝を購入します。
  • 馬によってはデータの問題でスコアがつかない馬がいたりもしますが、そういった馬は予想・購入対象に含まれません。
  • スコアのない馬の数が出走頭数の20%を超えるようであれば、そのレースでは一切馬券を購入しません。
  • オッズによるフィルタは行いません。

シミュレーション結果は以下のとおりです。

レース数
2,878
購入数
2,792
的中数
514
的中率
18.40%
平均的中オッズ
4.82倍
回収期待値
88.68%
最大連続的中数
5
最大連続不的中数
31

さらに購入馬券のオッズ帯ごとの的中率と回収期待値の分布は以下のようになります。

実際には300倍以上の馬を買っていたりもしますが、とりあえずは30倍までのオッズ帯です。

オッズ的中 / 購入的中率回収率
1.0 ~114 / 22750.2%80.1%
2.0 ~140 / 40035.0%84.1%
3.0 ~78 / 35222.2%76.0%
4.0 ~55 / 28419.4%86.4%
5.0 ~30 / 23312.9%69.2%
6.0 ~11 / 1676.6%42.5%
7.0 ~20 / 14014.3%107.4%
8.0 ~10 / 1029.8%83.2%
9.0 ~7 / 838.4%79.3%
10.0 ~11 / 7115.5%162.1%
11.0 ~5 / 618.2%94.0%
12.0 ~8 / 6013.3%166.4%
13.0 ~3 / 506.0%79.6%
14.0 ~5 / 4211.9%173.3%
15.0 ~3 / 2910.3%161.0%
16.0 ~1 / 234.3%72.6%
17.0 ~2 / 1910.5%185.2%
18.0 ~0 / 260.0%0.0%
19.0 ~0 / 280.0%0.0%
20.0 ~2 / 248.3%172.5%
21.0 ~0 / 220.0%0.0%
22.0 ~2 / 1216.7%375.8%
23.0 ~0 / 150.0%0.0%
24.0 ~1 / 147.1%177.1%
25.0 ~1 / 137.7%198.4%
26.0 ~0 / 190.0%0.0%
27.0 ~0 / 130.0%0.0%
28.0 ~0 / 120.0%0.0%
29.0 ~0 / 70.0%0.0%

オッズ1.0倍~6.9倍までの単勝馬券を購入すると、そこそこ的中はしても回収率100%を超えることはできないため、損をするという結果。

7.0~7.9倍のオッズ帯でようやく回収率100%を超えることが出来ましたが、8.0~9.9倍ではまたマイナスと不安定な状態。

10倍以上になると回収率100%を超えるオッズ帯が連続して出てきているのが分かります。

ちなみにこの10倍以上というオッズは明確な理由は分からないものの、自分がさまざまな予想ロジックに対して行ってきたシミュレーションの中でもっとも回収率を向上させるために適したオッズフィルタのしきい値であると経験上言えます。

これは自分の予想ですが、別に競馬予想ソフト等を使用していなくても、あなたが普段の競馬予想でサイン馬券などデタラメなものでない、どんなファクターの予想であれ一貫したロジックで予想を行っているならば、買おうとしている馬が単勝10倍以上でなければ買わないというルールを付け足すだけで、回収率が大幅に上昇する可能性が高いと考えています。

では具体的にどれくらい回収率が上昇するのか続けてみてみましょう。

スコア1位でも単勝10倍以上の馬以外は購入しない(そのレースは見送り)という条件を付け足した場合のシミュレーションは以下のようになります。

レース数
2,878
購入数
804
的中数
49
的中率
6.09%
平均的中オッズ
18.67倍
回収期待値
113.51%
最大連続的中数
2
最大連続不的中数
63

フィルタなしで約88%だった回収期待値が、10倍のフィルタありだと約113%25%回収率を上昇させることに成功しました。

わたしの感覚では単勝10倍でのオッズフィルタはだいたい10~15%程度回収率が高くなると考えているので、この上昇率はいつもよりもやや高めな気がします。

しかし1年分だけのシミュレーション結果とはいえ、回収率100%を超えることに成功したことからも分かる通り、オッズフィルタが回収率上昇に大きく役に立つことがお分かりいただけたかと思います。


「こんなに簡単、超便利!さあ、今日からあなたもオッズフィルタで夢の馬券生活!!」



・・・と締めたい流れですが、ここからが本題です。

当たり前ですが競馬予想に良いこと尽くめの話なんてある訳がありません。

もちろんこのオッズフィルタについても同様です。

まずシミュレーション結果を見た時点で気づいたかもしれませんが、的中率が約18%から約6%へと大きく低下し、シミュレーション期間内における最大連続不的中回数が31回から63回と約二倍に悪化しています。

「別に当たる回数が少なくなるくらい、儲かるのであればどうでもいい」

「最大63連敗なんて三場同時開催土日全部賭ければ1レースは必ず当たる程度じゃん!」

とお思いになるかもしれません。

わたしも競馬予想ソフトの運用を開始する前に似たようなことを考えていましたが、実際にやってみるとそんなに甘い話ではありませんでした

オッズフィルタの副作用は的中率、連続不的中回数だけではなく、実は馬券の購入数にもあらわれています。

フィルタなしのほうでは、ほぼ毎レースに1票は馬券を購入してたのに対して、フィルタありだとスコア1位の馬が倍率10倍未満の場合、馬券購入を見送ることから投資スピードが3分の1以下となっています。

つまりオッズフィルタを使用すると三場同時開催土日全レースを予想対象にしても購入レースは20レース程度にとどまるわけです。

ということは63連敗した場合、約3週間1つのレースも当たらないという状況が発生していたことを意味します。

ちなみに的中率6%に対して最大63連敗はまだましなほうで、この確率だと運が悪い時期に突入すると100連敗以上してもまったくおかしくありません。

この場合、1ヶ月半以上毎レース予想しているにもかかわらず買った馬券は全部ハズレの状況が続くことになります。

連敗し続けているとなんでもいいから当たってほしいという気持ちになりますが、それでもあまり当たらない10倍以上の馬券しか絶対買ってはいけないというルールを守り続けなければいけません。

オッズの低い馬を買ってしまうとオッズフィルタの回収率上昇の話が全く無意味になるためです。

順当な確率で当てられたとしても、当たるのは土日に1度くらいで、他のレースはというと外れるのをひたすら我慢するというのが基本になります。

やっとの思いで当たって、ほっとしたのも束の間、また次の当たりが来るのはいつなのかまったく分からない、もしかするととんでもない連敗が待っているかもしれないと不安になり、好きだからやっている毎週の競馬がストレスにしか感じなくなってくるのです。

わたしの場合、自作の競馬予想ソフトで自動的に予想&投票を行っていて、一つ一つのレース結果を意図的に気にしないようにしていました。

にもかかわらず初めて1ヶ月以上当たりが来なくなった時は、口座残高を確認するたびにじわじわ精神的に堪えるものがありました。

(負け金額がとんでもない額になった末期の頃にもなると、何が起きてもほとんど動じない抜け殻状態になっていましたが・・・)

まとめ

オッズフィルタは簡単に儲けられる確率を上昇させてくれるのは間違いないでしょう。

しかし払い戻しオッズが安い=なんだかんだで勝つ確率が高い馬が買えなくなることから、悪い時期が来た場合ひたすら耐える必要が出てきます。

つまり「競馬を投資目的でやっていて、回収率を良くするためなら何百レース連続で外れようとも気にならない」といった、鋼のメンタルを持ったプロ向けの馬券法だと思います。

期待させといてそれかよ!という感じになりましたが、そもそも的中率と回収率を同時に上昇させる方法なんて滅多に出会えるものではないので、そこはご勘弁。


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